猫髭公爵

スパイダーマン:ホームカミングの猫髭公爵のレビュー・感想・評価

4.4
少年の青春葛藤系ヒーロー映画。

キャプテン・アメリカ三作目でMCUに初登場したスパイダーマン。そんな彼の単独作品一作目。

シビル・ウォー後、トニーから受け取ったスーツで彼からの指示を待ちながらヒーロー活動を続けるスパイダーマンことピーター・パーカー。
ヒーローとしてもっと大きな活躍をしたいと願う彼の街に奇妙な武器を持つ連中が現れる。

今作のスパイダーマンは15歳の高校生で、MCUでは最年少のヒーローである。
シビル・ウォー以前からヒーロー活動はしており、小規模ながらそれなりに活躍はしていた様子。
他のヒーローたちとの大きな違いはその活動の幅だろうか。例外はあれど、他のヒーローたちは能力を得た時から軍人介入必須レベルの事件にばかり関わるが、今作のスパイディーは自転車泥棒や道案内など、交番のお巡りさんレベルの活動が主となっている。そんな彼が前回アベンジャーズの内戦に関わった後、その活動の幅を広げたいと思うようになっていた。
未知の脅威がいつ来るかと怯えている大人ヒーローたちと違い「もっと大きな活躍をしたい」という考え…未熟な少年らしいと思う。
これまでのMCU作品とはまたテーマが異なる少年の成長物語である。

アクションはサム・ライミ版と比べると
(アメイジング・スパイダーマンは未視聴)ウェブアクションは控えめ。あまり高いビルがないらしいね、クイーンズって。
なので動きの的な爽快感は薄く感じる。
だがスパイディー自身の動きが悪いわけではなく、糸の使い方が悪いわけでもない。
戦闘での動きはカッコいいし、コミカルさもある。
動き回りながらのジョークもかなりイケてる!
ただサム・ライミ版の印象が強く、自分は慣れるまでけっこう時間はかかった。

個人的にMCUの悪役はあまり印象に残り辛い印象であるが、今作のマイケル・キートン演じるヴァルチャーはシリーズでもトップクラスに好きな悪役である。
映画公開前、映画の敵がヴァルチャーと聞いた時は不安に感じた。何故なら原作では見た目は鳥のスーツを着たハゲたお爺ちゃんだからだ。
だが今作のヴァルチャーはメカメカしい翼を持ち衣装も大幅改変。更には本人もカッコいいという、良い感じにキャラ変してくれているという。
MCUの原作からのビジュアル変更はちょくちゃく神がかる時ある。

未熟なヒーローの成長物語。
彼はどのようなヒーローになることを決断するのか…?
なんだか見守りたくなるヒーロー映画である。
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