福福吉吉

ザ・サークルの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ザ・サークル(2017年製作の映画)
2.0
◆あらすじ◆
メイは友人の紹介で世界一のSNS企業「サークル」に入社する。サークルのCEOのイーモン・ベイリーは超小型カメラを用いた映像統括サービス「SeeChange」の広告塔にメイを抜擢する。メイは超小型カメラをつけて日常を晒して人気者になるが、メイの周囲の人間はメイを拒絶するようになっていく。

◆感想◆
世界一のSNS企業「サークル」が進める全ての情報を一手に握る企みに絡んでしまった新人社員の姿を描いた作品となっており、主人公の思考がぶっ飛んでいてどうにも作品に気持ちが入っていきませんでした。

メイ(エマ・ワトソン)は憧れの大企業に入社して張り切る普通の女性だったのですが、あるきっかけにより「サークル」の有用性や情報の全面公開を信奉する狂気じみた女性に変わっていって、最初のうちは感情移入できたのですが、途中から感情が離れていきました。

一方、サークルのCEOのイーモン・ベイリー(トム・ハンクス)は表向きは軽い身のこなしの革新的なクリエイターっぽい雰囲気を醸し出しており、トム・ハンクスならでは善人ぶりがうまかったと思います。イーモンには裏の顔があるはずなのですが、終盤に少し描かれるだけなので、いまひとつ悪役としてヘイトが集まらなかったです。

ストーリーとして、情報の自由化と個人のプライバシーを扱っていると思うのですが、主人公がプライバシーを失くしてしまおうとする狂人であるため、この作品が何を訴えたいのかさっぱりわかりませんでした。メイは情報公開の先導を切ったことで、家族や友人と疎遠になり、そのあたりでプライバシーの必要性を説くべきだったと思うのですが、メイが最後まで狂っていたので観終わって何も残りませんでした。

私にはこの作品の面白さが解りませんでした。

鑑賞日:2024年3月12日
鑑賞方法:BS松竹東急
(録画日:2023年10月11日)
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