ゆっけ

殿、利息でござる!のゆっけのレビュー・感想・評価

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)
4.0
さすが中村義洋監督。さすが阿部サダヲですね。
難しそうな時代劇と思いきや、心温まる人情映画に仕上がっています。

重税に苦しむ宿場町がありました。「伝馬」と呼ばれるお上からの課役で苦しんでいたそうなのですが、この辺の説明は冒頭で分かりやすく説明されるのでご心配なく。

その問題を打破するために、
「殿様に大金を貸し付け利息を巻き上げる」というアイデアを思いつきます。

その資金の今の価値でいえば3億円相当を集めるわけですが、
お金を持たない宿場の町人たちがどう工面していくのかという流れが面白かったです。

出資者には1円のリターンもありませんし、名前も残らない。一切の私利なく、どうやって集めていくか?

見返りがあってこそ経済が回る資本主義の原理を真っ向から逆の方向からファンドを集めていく。これが実話なのです。

個々の利益ではなく、全体の利益を求めて人が動くという江戸の時代の粋なお話だなと思いました。
ゆっけ

ゆっけ