使命や愛情を持って、というよりは何かに憑かれたように終末期患者の介護に没頭する訪問看護士のデヴィッド。担当患者が亡くなると、また次の患者を探し、仕事の合間にはジムでトレーニング(おそらく仕事のためだけの体力作り)をする毎日。家族はいません。
音楽なし、セリフの量も最小限、なんだけど物語が進むにつれて彼がどういう人なのかがわかってきます。
今の彼の生活のすべては、過去のある出来事への贖罪のようなものなのではと思いました。それなのに一人また一人見送るたびに背負うものがいっそう重くなり、彼も一緒に傷ついてぼろぼろになっていく様子が見ていて辛かったです。
予告編を見たせいで予想はついていたけど、それでもラストに呆然…無音のエンドロールが始まっても席を立つ人はおらず、それが終わってもしばらく動けないくらいの衝撃でした。
もっと違うかたちで、彼をとめてあげたかったな…
ティム・ロスファンとしては劇中何度も彼を抱きしめたい衝動に駆られました。