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或る終焉のーのレビュー・感想・評価

或る終焉(2015年製作の映画)
2.8
介護士を題材とした作品は少なくない。けれど、『ある終焉』は、主人公にすら距離をとった描写の仕方で、介護する側とされる側の複雑なカンケイを淡々と描写している。
挿入歌などは一切なく、エンドロールにも曲が流れない。ほぼ全編固定カメラ、やや引きぎみに撮られた映像は、観ていて眠たくなることもある。
脚本は、時差を用いて主人公の過酷な過去を暴き出す。エンディングも含めて、まさしくある終焉を観た。ポスターにカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したと書いてあった。
ただ、残念だったのは、主人公がいい人すぎること。そしてティム・ロスの演技がウェットになるシーンが感情移入できず観ていて痛々しいかったことだ。全てを見せなくても観客に想像させることの出来る場面のはずだ。
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