《日本の恋愛の映画》、Vol.14。
この企画、LDH、4作目。意外とあるな。
岩ちゃん2作目。
高畑充希、この企画では初めまして。
素朴な感じだけど、垢抜けてはいて、純粋で、正直で、しっかりしてて、小さくチョロチョロ小回り効く感じ。
だけど、でもなんかダイナミック、懐広い、、、とてもこのヒロイン像にフィットしてた。素敵な女性。
これ、小説を読んだことがある。原作、有川浩。
『図書館戦争』の人。さすが、清々しさと、ほろ苦さと、純情さと。バランスが素晴らしい。
とても純愛で、気持ち良い。けど、なんか“ワケあり”。
色々と恐ろしいほどにトントン拍子。
急に理想の男のような存在、現る。
「あの、僕のこと、拾ってくれませんか。」
そんなこんなで、信じられないほどのイケメン、いきなり彼女の家に転がり込む。
この彼がとんでもない癒し系。
料理も作れて、勝手にバイト見つけて働き始め、半年間ほど居候することに。
身元もよくわからないのに、びっくりするほどトントン拍子で共同生活が始まる。
彼、何故だか植物にやたら詳しい。
「“雑草”なんて名前の草はございません。」
植物採取をしたり、採った植物で料理したり。
春夏秋冬、四季折々の身近な自然を通して近づく2人の距離。
彼の植物の知識、家事や料理の手際の良さ。
みるみる彼に引き込まれる。
岩ちゃんも思いのほかこの役にとても馴染んでた。
健康的で、献身的で、優しく、朗らかで、何でもできちゃって、彼女を楽しませてそっと包み込む。
花冠とかも作れちゃう。
このトゲのない、、、でも、やるときはやる。
そして、どこかミステリアスな男性像 、、、憧れる。
この2人の、2人だけの雰囲気がとても和む。
すれ違いが起きて嫉妬メラメラしながらお互いムスッとして、笑顔も口数減って爆発しての感じ、、、からの仲直りの感じ、とかなかなかリアル。
この朗らかなムードとパワハラ、セクハラの描写が妙に対照的で、自然と嫌悪感が湧き上がる。
そして幸せなひとときはあっという間、、、そうこうしてる間に彼との約束の“期限”がやってくる、、、。
苗字も知らない、出身地も知らない、生い立ちも知らない、誕生日も知らない、ほとんど何も知らない。
それなのに、転がり込んできて半年間も一緒に過ごした彼。半年も一緒に過ごしたのに何も知らない彼。
そんな彼と彼女の、過去と現在と未来と向き合いながら、まっすぐ。“ワケあり”を乗り越えんとする気持ちの良い恋愛の映画。
正直ものすごい劇的であるわけでもない。
不治の病や、身分違いでも、国や文化の違いや、絶対的な物理的距離でもない。
身近な雰囲気であり、等身大であり。
でもなかなか普段目にも留めないような逆に当たり前過ぎることに喜びを感じながら、再発見しながら。
それに気付ける幸せと、そんなまっすぐな雑味のない出会いから共に歩もうとする関係がスッと入ってくる清らかな作品。
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