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私、君、彼、彼女の犬のレビュー・感想・評価

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)
3.0
壁に色を塗って、壁の色を変えて、マットレスを動かして、手紙を書いて、横になって、砂糖を食べて、砂糖を溢して、溢した砂糖を掬い取って、手紙を書いて、裸になって、服を着て外に出るまでの様子を淡々と観察させられる序盤。外に出て、ヒッチハイクして、トラック運転手を捕まえて、彼の私的な話を淡々と聞いて、一緒に飯を食って、一緒に煙草を吸って、ちょっと彼女面な表情を見せ、運転再開して、手で彼の性欲を満たして、満足した彼を横目に長距離を共にする中盤。彼女の家に行って、お腹が空いて、パンを食べて、もっと食べたくて、マーガリン塗りたくって、パンを食べて、彼女の胸元に手を掛けて、首を横に振られて、二人は裸でベッドの上にいて、互いの身体を弄って、摩る音が意識的に拾われていて、動物的に絡み合って、体温を高め合って、やがて彼女は果て私はその場を去る終盤。ネタバレ全開だけど、本当にスクリーンに映る光景はそれ以上でも以下でもなくて全編を通して大雑把に言うと三大欲求が描かれている。退屈と言ってしまえばそれまでだが、これが何故だか聞いてられるし見てられる。
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