虎舞羅ーコブラー

シン・エヴァンゲリオン劇場版の虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

5.0
「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」

ネタバレは基本書かないという私的ルールに基づき、前半は“私にとってのエヴァンゲリオン”をテーマにレビューしたいと思います。後半からネタバレありでの魅力をまとめますので、宜しくお願いします。

“私にとってのエヴァンゲリオン”
私とエヴァンゲリオンの出会いはつい最近、去年からの事です。なので、皆さんの様に長年かけて作品への“想い”が募っているとは、到底言えないと自負しているつもりです。
去年の終わり頃、私は尊敬している先輩からの勧めもあり、少しずつ鑑賞していました。そして、今年の金曜ロードショーでの「新劇場版」三作の放送を機に、私の中で生涯忘れられない作品として出来上がっていきました。「なんて魅力的なストーリー、なんて素敵なキャラクターたちなんだろう…。」そんな言葉では言い表し切れないほど、“想い”が積み重なっていくのを実感しました。そして、今回の最新作にして最終作。他のファンの皆さんと共に、この作品の最後を見届けたい。この“想い”を、私の中で“永遠”にする為に。

【ネタバレあり】“永遠に生きて、私たちの中で”
遂にやってきた、最終作。オープニングのパリ復旧シーンから鳥肌が立つ。「映画館で体感出来るなんて…」と、新参者ながら震えました。
打ちひしがれ無気力なシンジくん、村の生活の中で“優しさ”と“人間らしさ”を覚える綾波、サディスティクに見えても本当は心配しているアスカ。そして、ついにシンジくんは立ち直ります。フォースインパクト、碇ゲンドウの人類補完計画を阻止するための最後の戦いが始まります。
彼らの言葉、決断一つひとつが胸に刺さり涙する。そして明かされる、ゲンドウの心情。本当はみんな苦しんでいたんだ、完全悪は存在しない、みんな苦しみを忘れ、ほんの少しの“幸せ”を願っていたんだ。本当の決着は、暴力と恐怖による贖罪ではない。彼らに耳を傾け、理解する事だった。アスカのクローン説、それ故の孤独。今まで謎だった彼らの真実が明かされる。そして、大人になったエヴァパイロットたち。今までのシリーズの解答編であり、みんなが救われた最終作でした。
“さよなら”というシンジくんの言葉に、私はこう返したい。「作品自体は終わりかもしれない。でも、君たちの、庵野監督たちの紡ぎあげたストーリーは、私たちの中で、残り続けるよ。たとえ私が死のうとも、この魂に刻まれてる。みんなにようやく与えられた“幸せ”は、私たちの“幸せ”に生まれ変わる。エヴァンゲリオンという一つの“時代”が終わろうとも、私たちは忘れられない。“さよなら”と言うなら、“ありがとう”と返すよ。全てのエヴァンゲリオンに、さよなら。」

ただ私は、そう伝えたい…。