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シン・エヴァンゲリオン劇場版のkensyoのレビュー・感想・評価

3.8
「TVの時も!旧劇の時も!Qも!ぶん投げみたいなことして悪かった!もう一回話し合おう。そしてオマエら、頼むからこれで成仏してくれ…!」っていう監督の祈りが聞こえてくるような最終章だった。

「さらば、"すべての"エヴァンゲリオン」っていうキャッチコピーが多分必要十分な説明で、作品も、キャラクターも、ムーブメントも、消費者も、多分監督自身も、ちゃんと区切りをつけるからこれで卒業しよう、っていうことを一つ一つ確認していくみたいな作品だった。

多用されるセルフオマージュも、大人になった(もしくは老いた)監督があんなこともあった、こんなこともあったと語りながら、心残りだった学生時代をとつとつと語って閉じて行く様な作業だったと思う。

その意味で作品は刺激的ではなくて退屈とも言えるけれど、作品をムーブメントとか熱量としてではなくて、あくまでどこにでもあるような物語として終わらせようとしてるという意味で、真摯で大人の責任感を感じたな。

登場人物も、一定大人としての責任がある行動をとっていて「え?君たち説明するっていう機能ついてたの??」とびっくりするくらいだし、大人たちの説明、主人公たちの言動、登場するメカたち、全てが結末のためのご都合主義的過ぎるきらいはあるけれど、それもすべて「キチンと収まりをつけよう」っていう意思の表れに思えたし、なんか「みんなご苦労様」っていう感想。

ネタバレになっちゃいそうな部分はコメントでフラグつけて投稿しようと思います。
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