ハシオ

シン・エヴァンゲリオン劇場版のハシオのレビュー・感想・評価

4.0
本作は、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』全4部作の第4作目。
前作『Q』の公開から8年以上を要し、25年間続いたエヴァンゲリオンシリーズの完結作でもある。

いや~、良かったな。
旧劇ファンには複雑かもしれないが、
シリーズの締め方として極めて正しい終わり方をした作品だと思う。

大まかなストーリーとして、前作の様な突飛な話はなかった。
むしろ想像したような展開ではあったが、
それにしても前半の第三村には驚かされた。
エヴァはこれまで所謂“セカイ系”の元祖として、徹底的に市政の人々の生活を排除してきたのに、本作では逆にしっかり、かつ丁寧に村人たちの生活を描いている。
綾波レイが田植えをするなんて誰が想像しただろうか?
このシークエンスを見るだけで、庵野の心境の変化が伺える。
※穿った見方かもしれないが、あの一連のシーンは、まるで庵野自身が引きオタニートに「とりあえず、働いておきなよ」と諭すかのように感じた(笑)

そして、この映画では、シンジもアスカもレイもゲンドウも登場人物みんな言葉を交わしてコミュニケーションを図る。
まぁ正直、人として当たり前だし、そんなことはもっと前にやってろ!と突っ込まれるかもしれないが、エヴァを庵野の私小説として捉えれば、やはりここまでくるのに25年かかったということだろう。
とにかくゲンドウとの対話にはグッときた。

そして、ラスト。
庵野の故郷・宇部新川を俯瞰して見せるアニメと実写の融合…。
気持ちよすぎる。
宇多田ヒカルの主題歌と併せて、多幸感溢れるシーンで大好きです。
ハシオ

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