Kenjo

シン・エヴァンゲリオン劇場版のKenjoのレビュー・感想・評価

4.4
劇場で見て、すげーーー庵野さん天才だなーーと思って色々考えてたけど全然まとまんなくて感想書けてなかった。
そうこうしてるうちにサブスク解禁されて、じっくり見てみたわけやけど、2回見るくらいじゃ当たり前やけど分かんないね。
つい最近やっと結局テレビ版も見てこのレビューを書くに至った。

とりあえず思うことは、庵野監督の救済ストーリーなのは間違いないなということ。
これに関しては色んな人が言ってることだし、最後のシンジvsゲンドウの戦いでのメタ構造を考えれば大体理解できる。

このエヴァという作品はジブリに近い、基本的にエンタメ要素という分厚いからの中にメッセージ性を隠し込んだものだと捉えてる。ロボット戦闘モノというみんなが楽しめるアクションとストーリー展開やけど、ちゃんと奥に監督の伝えたいメッセージがどっしり入ってる感じ。
このメッセージについて読み取ろうと頑張ってたけど、大きな"他者と自分"的なテーマ以外の細かい部分がなかなか理解しづらい。

他者と自分に関しては、エヴァの中で再三出てきた、ヤマアラシのジレンマに端を発する他者との距離感。自分とは何か、自分は何のために生きているのか、自分に価値はあるのか。他人と相対化して自分を理解することで自己を見つける過程が描かれている。庵野監督の葛藤がどのようなものであったかなどは分からないが、絶望という死に至る病を経て、きっとサルトルの実存主義的な発想へとたどり着いたんだと思う。
他にも、生と死を等価だと考えるカヲルくんの人類を超越した発想に関しては、ニーチェの円環的な人生観と近いモノを感じるし、それに至るまでに人生の重さ軽さを痛感し、ニーチェの哲学へとたどり着いたんだと思う。
これらのメッセージの裏に見える哲学について、庵野監督がたどり着いたモノだと思うが、それらをまとめてエンタメに落とし込む能力がすごすぎて言葉が出なかった。
このエヴァンゲリオンが作られた過程にものすごく興味が湧いた。

アマプラでサブスク来たし、よく分からなかったシーンとか何度か見直しておこう、、
Kenjo

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