Chico

アンナの出会いのChicoのレビュー・感想・評価

アンナの出会い(1978年製作の映画)
5.0
鑑賞記録

ロードムービーと会話劇を組み合わせたような感じです。
固定電話というデバイスを使った巧妙な演出が素晴らしい。照明のスイッチのオンオフも効果的に使用されていて○。やっぱ脚本うまいよなあとしみじみ。以前観た'ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地'は会話ほとんどなかったけどこちらは会話多くて(1人語りが多くを占める)、台詞が良い。

孤独とか鬱っぽさはあるけど、アンナの一度しか見せない笑顔が少女みたいで愛おしくなったし母と別れた後の顔も儚げ。無表情が崩れる瞬間、時々ふっと入る温かい眼差しや切なさが不思議な感覚にさせてくる。

誰といても結局は孤独なのが人間よねと言うスタンスなんだけどその中でも分かり合えた瞬間とか触れ合った温もりとかそんなことを極力感情を抑えて無機質に描いてる。

人間関係の本質を描いているのかも。

まあなんというか美しい映画だった。再鑑賞したい。

アケルマン良いな。こういう出会いがあるとやっぱ映画もっと観ないとなあって思う。
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