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アンナの出会いのchiyoのレビュー・感想・評価

アンナの出会い(1978年製作の映画)
3.5
2024/2/25
最新作のプロモーションのため、ヨーロッパの都市を転々とする映画監督のアンナ。とはいえ、その最新作の断片が映されたり、イベントに出席しているアンナが描かれることはない。ほぼ設定としての機能しかないけれど、自然とアンナとアケルマン監督がダブって見えてしまう。そして、様々な場所でアンナが出会う人たち。が、誰と会っていても何を喋っていても、アンナから滲み出るのは孤独。二度のセックスも未遂に終わり、肉体的にも孤独なことが突き付けられているかのよう。ただ、母親との再会時には甘えるような姿も見せ、少しだけ彼女の人間らしさが顔を見せる。また、アンナが都市を転々とすることから、駅舎や鉄道の登場が多め。ラストでは、淡々と留守番電話を聞くアンナ。多くの人が彼女と連絡を取ろうとするけれど、それでも彼女は孤独なのだ、としみじみ思う。
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