まこぞう

俳優 亀岡拓次のまこぞうのレビュー・感想・評価

俳優 亀岡拓次(2016年製作の映画)
2.7
主人公が観た映画をモノクロで回想するシーンに流れる音楽が最高だった。予告編の始めの方に流れるピアノのと同じ曲だけど本編ではロングバージョンでオルガンが入ってくる辺りからは泣きたくなるほど良かった。久しぶりに映画音楽に感動。
その時の映像も、こめかみにピストルを当てた主人公が水たまりに映るという格好良いものでグッときた。

麻生久美子の登場シーンでの可愛らしさは最高だった。歳をとった感じは否めないけど、そこに若僧には理解出来ないであろうサムシングがあって、おっさん目線では可愛らしさが倍増。あれは演技からくるものではなく元からだろう。
関係ないけど外見的な可愛らしさや美しさはそれだけで才能なので、そういう人たちが何かと優遇されるのは当然だと思うし、そうあるべきだと思う。

もっともらしそうに抽象的な演技論を偉そうに語るベテラン女優、三田佳子も良かった。やはり「女優は蚊に刺されてはダメよ」はパンチライン。息子は更生したかな。

俳優の話なので同じシーンが繰り返されたところがままあり、何だか今流行りのタイムループ物のSFを観ているようだな、と思っていたらちょいちょい寝てしまっていた。一生懸命に作った人たちに申し訳ない。

繊細だけど立ち直りが早そうな冴えない独身おっさんの話、言い換えれば寅さんリバイバルな話のような印象の映画でした。
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