けーはち

俳優 亀岡拓次のけーはちのレビュー・感想・評価

俳優 亀岡拓次(2016年製作の映画)
3.3
TV/映画、時代劇/現代劇、あちこちで見たのに名前が出てこない脇役。大作から自主映画までどんな役(脇役)でも駆けつけ重宝される地味な名役者・亀岡拓次の生活。

★亀岡を演じるのは彼自身が名脇役俳優である安田顕。面白く観られたが多々不可思議なシーンもあり、123分が長尺に感じるのは否めない。

★不可思議というのは、彼の中に秘めた役者としての根っこにある映画への熱い思いや、人生の迷いを表現する場面が演劇や映画のワンシーンとして、または彼の背景だけが映画のスクリーン映像になり現実と心象風景が混ざる、あるいは映画のオーディションの形をとって彼の心象を語る手法が現れる点。地味な脇役俳優の奥底の気概という意図は伝わってくるがややクドい。

★とはいえ基本的に号泣・爆笑はなくホロリ・クスリとできる脇役人生の悲喜劇がしっとり観られる邦画コメディ。白石監督作品でお馴染み、宇野君も登場。ヒロインの麻生久美子も良い。