近藤真弥

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中にの近藤真弥のレビュー・感想・評価

3.7
全体的には良かったです。特に、男だらけの体育会系なノリが際立つ前半から、そのノリと違う価値観が徐々に交わり哲学的な様相を帯びていく後半という流れには、「さすがリンクレイター!」と感心しました。

最後まで男だらけの体育会系なノリだったらキツかったと思いますが、知的で繊細な感性を持つビバリー(ゾーイ・ドゥイッチ)と、その彼女に影響され少しずつ変化していくジェイク(ブレイク・ジェナー)という関係性をしっかり描くことで、さまざまな未知に出逢い変化する多感な時期という「時間」を記録した映画なんだなと実感できました。このあたりも、「時間」にこだわってきたリンクレイターの作家性を感じさせますね。

ただ、序盤に「レズビアン」をジョークのネタにしてるシーンがあるのは少し引っかかりました。どこか嘲笑的に見えてしまって...。ホモソーシャルなノリを出すためでも、あれはいらないよなあと感じた。
近藤真弥

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