リチャード・リンクレイターの作品はやっぱり良いなあ。
まずひたすらに楽しい!アメリカの大学生になりたいと思ってしまう。英語がもっと理解できれば、リンクレイター得意の会話をもっと楽しめるのに…
電話のシーンがとても好き。二人の顔の輝き具合がたまらなかった。
愉快な映画の中に、深いメッセージが散りばめられているのが最大の魅力だと思う。
『6才の僕が…』の続編的映画と言われているが、限られた時間、今この瞬間を切り取っているという部分は「ビフォア3作」に近い。
この監督は瞬間の切り取り方が本当に上手い。「ビフォア3作」では2人の出会いと別れや刻々と変化する景色などの要素で「瞬間」が描かれていた。
今作にはそこまで洒落た雰囲気はなく、大学生がひたすら馬鹿騒ぎしているだけである。
今作では新学期までのカウントダウンがかけがえのないこの「瞬間」をつくりだしてくれている。
新学期が近づくにつれてカウントダウンがより細かくなる。それは楽しみなカウントダウンなのだが、この映画ではどこかに不安を抱いてしまう。
カウントダウンが終わり、新学期の授業が始まるところで映画は終わってしまう。当たり前だが新学期を迎えた彼らには、寂しい雰囲気も悲しい雰囲気もない。
しかしカウントダウンの挿入を見せられてきた観客の我々には喪失感も感じられる。
ただ意味もなく騒いでいたあの瞬間がどれだけかけがえのないものだったのか。
もう二度とあの瞬間には戻れないのだ。
我々の生きるこの瞬間もかけがえのないものなんだと強く感じさせられた。