BOB

ぼくの伯父さんのBOBのレビュー・感想・評価

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)
3.8
アカデミー外国語映画賞にも輝いた、ジャック・タチ監督の代表作。

自由気ままに生きるユロー伯父さん。ハイテク会社に勤める義弟家族と交流する。

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前作『ぼくの伯父さんの休暇』はそこまでハマらなかったが、本作は好みだった。ユロ伯父さんの緩くてコミカルな世界観に、『モダンタイムス』のような分かりやすい社会風刺要素が加わったからだと思う。

物質主義の金持ちや機械化社会を面白可笑しく描いたフレンチコメディ。〈自由気ままに生きるユロ伯父さんや、悪戯好きの子供たち〉と 〈新しい物を次々に買ったり、お洒落な洋服で着飾ったりする金持ち妹夫婦とその友人たち〉の対比があった。ただ、批判的な視点は持ちつつも、近代化を否定しているようには思わなった。創造することへのリスペクトが随所に感じられた。

父親と少年のラストシーンにほっこりさせられる。大人が、知らぬ間に忘れてしまった子供心や遊び心を取り戻す話でもあったのだろうか。

独創的な舞台セットや器具・装置が面白い。3D迷路のようなユロ伯父さんのアパート、ハイテク・モダンテイストの妹家族の住む邸宅。個人的アイデア大賞は、肉をひっくり返す"スマート"フライパン。

見た目は良いが使い勝手の悪いデザインの庭、言う事を聞かない自動ドア、故障して下水を吹き上げる魚の噴水、完全に会話を遮ってしまうモーター音。車 vs 自転車&馬車。

追突事故を偽装したり、歩行者が街頭にぶつかるか賭けたりと、大人たちに悪戯を仕掛ける子どもたちが最高。

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