こえ

団地のこえのレビュー・感想・評価

団地(2015年製作の映画)
3.7
ふらっと入った映画館で。
冒頭、山下夫人(藤山直美)が団地のベランダから道を見下ろす視点。老婆が鉢ごと花を落としてしまったところに真城さん(斎藤工)が日傘をさしながら登場して、胡散臭い紳士的な態度で花をハンカチに包んで、「花に怪我がなくて、よかったですね」と言うシーンで、ほう…こういう映画か…と思った。
真城さんはなんかあるな、と思いながら観てたけど、そうきたか〜といった展開だった。笑ったけど。
一貫してシュールなコメディテイストで、大阪の団地に暮らす人間たちの人間らしさが笑えます。
漢方薬店を廃業し、団地裏の林をうろつく主人公山下氏(岸部一徳)、そこで出会う、虐待を受けてるきたろうくん、美人局にはまった町内会長(石橋蓮司)、山下氏の失踪は殺人事件だと信じて疑わない主婦たち…。
中盤、山下夫人は、明かりの灯った団地の部屋部屋を眺め、こう呟く。
「団地は噂のコインローッカーや」

結末をそう持っていくか〜という、個人的には納得できないオチだったけど、笑いは小ネタ満載の好みのテイストだった。
同じ監督の『顔』が評判いいみたいなので、それも観たい。
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