蛇々舞

バーフバリ 伝説誕生の蛇々舞のレビュー・感想・評価

バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)
5.0
な ん じ ゃ こ り ゃ !?

この時代、ここまでシンプルな神話が紡げるのかと驚嘆した。

ともすれば全てが馬鹿馬鹿しい。
人々の言動は突飛であり、戦闘は大袈裟で、建物から山から、必要以上に巨大に映る。

有り得ないほどのビッグスケール!

そう、これは、まさしく〝有り得ない物語〟……すなわち神話なのだ。

神の血を継ぐ王子が、その身分を隠されて育ち、やがて悪の王を打倒すべく立ち上がる。
これ以上ないほどシンプルで、古い神話のテンプレート的な筋書きだ。

それを劇的に、新鮮に魅せているのは常識に囚われない突き抜けた表現に他ならない。
雄々しい若者が鍛え上げた四肢を唸らせて、特殊効果を施された、さながら美しい絵巻物のごとき世界を駆け巡る。
もはやギャグかとさえ思う数々の展開は、一方で確かな感情を孕み、爽快さと格好よさに繋がっている。

照れ臭いほど、完膚なきまでに神々しい王……否、神の姿が、そこにある。
そして我々は気づくだろう、自分たちが、こんなヒーローをこそ待ち望んでいたのだと。

民たちが声を震わせ合唱したように、映画を目撃した我々もまた、彼に魅了され、叫ばないわけにはいかないのだ。

「バーフバリ! バーフバリ!!」
蛇々舞

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