話題の作品ですが前情報を収集せずに真っ新な状態で鑑賞。面白さは分かった。「面白い要素をモノをどんどん積み上げたら出来ました」みたいな作品なので面白さしかないのも確かである。しかし個人的には何故か乗り切れず。何故だろう。こんなに面白さに満ちているのに。王道の物語、伝統芸能のようなダンス、トリッキーなアクション、魅力的で個性ある登場人物に、カリスマ溢れる主人公、絵画のようなキメッキメのシーンが津波のように押し寄せるのも最高だった。なのに乗り切れず。何故だろうと考えていたのですが、おそらく本作が「足し算だけで作られたような作品」だからだろうと思う。本作は面白い要素に面白い要素を積み上げ、描きたい要素を描きたいように描き切ったような作品なのだけれど（本当にそうなのか分かりませんが）、それが個人的に合わなかったんだろうなと思います。僕は「引き算の美学」が好きなんだと気づかされました。
