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バーフバリ 伝説誕生のonotoramanのレビュー・感想・評価

バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)
4.0
こんな画面の映画は見たことがない。人間ってもうここまで作れるんだ。しかもハリウッドじゃなくインド発だからまた驚き。

まず美術の作り込みがすごい。ひたすらすごい。王国を空から舐めるように映していく映像なんかたまらなくて、テレビの前でおおー!!とか声出してた。ちなみにここが一番好きなシーン。
美術に関しては衣装も見所で、部族、国民、奴隷、王族、蛮族、それぞれのらしさが画的に伝わってくる。アクセサリーとか見てて楽しいし。個人的には像が立つときにいた白塗りダンサーが好き。
それから滝とか山とか、自然物が不自然なくらい美しい。色のこだわりすごすぎ。雪崩のスケール感も見事で、雪崩の大きさを伝えようとしてるのが画面からひしひしと感じられる。

美術以外ではやりすぎな演出もかなりツボだった。一人の人間が他の人間何人も吹っ飛ばしたり、牛正面から受け止めたり、倒れそうだった巨像止めちゃったり。そう、一人の人間が。

でもなんでこの題材にしたんだろう。インドの史実だと勘違いしながら見てたから、大胆なことするなあと思ってたけど、史実じゃない史実風の映画ってなんだかなあってなってしまう。乱暴な言い方をすると、創作するんだったら宇宙とか魔法のほうがワクワクすると思うけどそういうことでもないのかなあ。歴史物がそもそも苦手っていうのがあるけど、ストーリーにひとつでも新しさとか驚きが欲しかった。

他にも言いたいことはたくさんあって、主人公がひげ面のおっさんだとか、敵だけじゃなく味方側もまあまあ残忍で少しひいちゃうとか、話が若干唐突なところが多いとか、ていうか途中からストーリーどうでもよくなってる自分がいたりとかするんだけど、でも傑作だった。
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