マ帆

ポンヌフの恋人のマ帆のレビュー・感想・評価

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)
4.8
セリフの少ない映画が観たくて。
素晴らしすぎて終わった後しばらく呆然とした......たまにまだ何も起きていない2人にこれから起こる何かを見て泣いてしまう映画があるのだけど、燃ゆる女の肖像以来にそれが発動した。

大道芸人のホームレスと片目の見えない画学生、社会からあぶれた2人が工事中の橋の上で落ちる恋。

少ないセリフの1つ1つが本当に良くて、それから画も良くて、もう全部良くて。特にパリ祭のシーンの衝動とも情熱とも違う激しさ、激しさのあまり一瞬で消えてしまいそうな儚さ、青春映画にも似た解放感、息もつかせぬ疾走感、色、光、ダンス、色んなものが同居する唯一無二。美しすぎて気付いたら泣いてた。

水上スキーなんて絶対前見てなきゃいけないのに後ろのミシェルだけを見ていたい、半分しかないその視界に一生懸命何かを残したいアレックスは誰よりも盲目的で、それは案の定とある悲劇を生む でもそこからが素晴らしい。

そういえばと思って昔買った雑誌を引っ張り出したら満島ひかりがパリ祭のシーンを「映画史に残るワンシーン」と話してる記事があって、それを読みながら反芻してまた泣いてしまった。

" まどろめ パリよ!" 😭😭
マ帆

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