ポンヌフの恋人の作品情報・感想・評価・動画配信

『ポンヌフの恋人』に投稿された感想・評価

dth404

dth404の感想・評価

4.4

このレビューはネタバレを含みます

未来に残された残り1発の銃弾はアレックスを撃ち抜く。
ああきっと世界の果てまでは行けないんだろうなと思う。
利己的な愛は叶わない。
なんとなくそう思う。

花火のシーンだけで、「あぁ〜この映画観てよかったなぁ」って思えた。
退廃的に描かれたパリの街で2人だけで踊ったことがアレックスにとってエグいくらいの高揚だったんだんだろうな。
愛し方は色々あるだろうけどさ。
これは恋愛映画なのだろうか。

ともかく、青春3部作の中では一番好きです。

ハンスが好き。
子どもの頃、鍵束に憧れていたのだ。

ドニ・ラヴァンはやはり運動神経良し。
lente

lenteの感想・評価

4.0
愛を強く求める女の子に応えようとした、愛を知らない男の子がいたとします。

はじめ男の子は女の子を見つめ続けた。けれどそのまなざしを彼女が受けとることはなかった。そこで男の子は走り続けた。やがて女の子も走り出す。そうして2人は着地することを拒むように走り続けることになった。

やがて彼女が求めた愛と、彼が応えようとした愛は別々の軌跡を描くことになる。地上から弧を描くように放たれた放物線が、一瞬のうちに交差しながらも別々の場所へと着地するように。

そうした寓話のようにレオス・カラックスのアレックス3部作を僕は受けとめています。またそのように第3作『ポンヌフの恋人』では、レオス・カラックスの頂点を観ると同時に、愛の崩壊に立ち会うことにもなる。



映画の冒頭はピカソの青の時代や、醜ささえも神秘的にあぶり出したレンブラントの赤を溶け合わせるようにして始まります。パブロ・ピカソ『セレスティーナ』と同じく左目をミシェル(ジュリエット・ビノシュ)は失明しかかっており、アレックス(ドニ・ラヴァン)が美術館で観た絵はレンブラントの自画像です。

そのためパリの街に巣食う芸術という呪われた血潮を、高密度で描き出しているような印象があります。

また「ここではないどこか」を描いているような高感度フィルムの空気感、絶望に揺れる水面、狂騒的になるほど静けさを増していく花火のシーンなど、小さなカットから大きなシーンに至るまですべてが素晴らしく感じます。

『ボーイ・ミーツ・ガール』では自己言及的パラドックスが断ち切られるように表現の自死を描き、『汚れた血』ではパラドックスを疾走させながら生と死の間をゆく地平を予感させた。そしてついに『ポンヌフの恋人』では、生と死の境界に永遠にとどまり続けるような緊張と官能が描き出されています。

老浮浪者ハンスの設定も面白く思います。かつて守衛をしていた彼は美術館をはじめパリのあらゆる施設の鍵を持っている。しかし芸術文化すべての鍵を持つハンスをカラックスは河に葬り去る。それはまるでモダニズムと決別するかのような象徴性を秘めていますし、この作品には20世紀モダニズムによって導かれながらも、その後の新機軸となるようなまぎれもなく価値のある何かを感じます。

少なくとも前半まではその気配に満ちていた。

けれどさながらアルチュール・ランボーのようにアレックスが拳銃で手を打ち抜いたシーンの後、驚くほど映像のテンションが落ちていきます。前半までの愛(アレックスの愛、カラックスの愛)は、対象を撃ち殺し焼き尽くすことを本質に宿すようなものでした。そこにあったのは、間違いなく生と死が永遠に交わることのない緊張感です。しかし後半からの愛は、エゴイズムのすれ違いやごまかしのようなものになっていく。

結果として前半と後半とでは印象がまったく異なる作品となっています。

20歳の頃にこの映画をはじめて観たときの奇妙な感覚を覚えています。アレックスの愛は自己憐憫による抱擁によってのみ生き、そして死んでいくことになります。カラックスの愛もまた、映画という時間のなかに閉ざされそして死んでいったのかもしれない。

このことが意味するのは、アレックス3部作がやはり自己言及的なパラドックスを強く内在させた作品だということです。現実的にレオス・カラックスの身に起きたことは映画製作のトリビア的な知識として少しは知っていますが、僕はそのことにはほとんど興味がありません。優れた作品はそうした予備知識を持たずとも、その核心を自律的に宿すからです。

どういう事情があったにせよ、劇中のアレックスの愛が自己憐憫のうちに死んでいくとき、映画監督としてのカラックスの愛もまた自己憐憫のうちに死んだ。彼らはエピメニデスのパラドックスのうちに疾走しながら、同時にそのパラドックス性ゆえに喪失される宿命を抱えていたのかもしれない。僕にはそんなふうに思えてなりません。

また僕が映画について語ろうとする言葉もまた、彼らと同じ自己言及的なパラドックスを内在させているという自覚があります。ですから何故彼らがあんなふうに失速したのかがよく分かるような気がしますし、ここにも言葉が自己崩壊していく姿が描かれているように思います。
まどろめ、パリ!
終始狂ってて物語らない感じが最高だ!DVDプレイヤーも唸ってた
アル中浮浪者アレックスと目の不自由な画家志望のミシェルが出逢い工事中のポンヌフ橋でホームレス同棲を始める恋物語。この橋が曰く付きの製作断念一本手前まで行ったロケ用に組まれたセットというから驚き、虚構造りの執念感じる出来栄え。橋の上に打ち上がるフランス革命200年祭の花火、街頭で見せるアレックスの火吹き芸、捜索願いの出てる駅構内のミシェルのポスターを焼き尽くし車も燃やすアレックス…。燃え上がる恋の炎、誰にも渡したくない嫉妬の炎を象徴するシーンが印象的でした。
リリー

リリーの感想・評価

3.9
まっすぐすぎる

余計なセリフがあんまりなく、セリフ一つ一つが魅力的
アレックスの狂気というか純粋さに、何か起こしちゃうんじゃないかってハラハラさせられた。エキストラ?っぽい周りの浮浪者役の人達もすごすぎてどこで見つけてきたのってくらい。爆竹と花火の中で踊ってるシーンが結構印象に残った。ハンズはやっぱり死んじゃったのかな。
フランスが美しくっていつか絶対行こうって思った。
印象に残るシーンやセリフが多く傑作と言われる理由がよく分かる
美しいパリで暮らす薄汚れたホームレスたちが古きパリを思い出させる

愛とは複雑な感情である
ish19oro82

ish19oro82の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

レンタル落ちを購入して20年振りくらいに視聴。謎の魔力あります。いわゆるアレックス3部作の最後を飾る作品。それまであらゆる世界線で失恋し続けて来たアレックス君が最後にまさかの逆転優勝するところがエモくて最高です。
○ 同じ橋での撮影が多いが、構図やアングルや季節感を意識しているため飽きない
○ 恋は特効薬
○ 狂気すら感じる愛とエゴ
○ テーマは「自己愛と対象愛」
○ 花火のシーンは映像と音楽が素晴らしく、混沌としている
○ 監督と女優が付き合っていたが破局した背景有り
○ アレックスのバックボーンをもっと知りたかった
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