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無伴奏のmのレビュー・感想・評価

無伴奏(2016年製作の映画)
3.6
見終わったあとのきもちはため息ひとつって感じ。抑揚みたいなものはかぎりなく削ぎ落とされているけど、この年頃の子供でいたくて上目遣いをして、大人になりたくて背伸びをする、そのかんじに丁寧ですきだなとおもった。こういう感じで写真撮るひといるよね、色とか雰囲気とかそういうことではなくて。ほぼ空気みたいな。そのひとの感情を感じさせなくて、視線を、カメラを、向けられてることすら意識させないひと。そういうかんじで追いかけている気がして。まだちいさな島国では同性を愛することが受け止められない時代に、若者がふつうに敏感であった時代に、愛が起こした透明な革命がいくつあっただろうか。敏感さは寛容なことではなく鋭利で若さゆえの正義感であったはず。ほんとうの正義とも愛ともちがっただろう。それは物事の良し悪しではなくてもっと心の根っこのぶぶんで。
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