震えた。まさに21世紀の死を想う映画。
途中、ちょっとダレるのが減点だったけど、それさえもその後のラストを際立たせるための必要な時間であったのはわかる。最後の30分ほどは歴史に残る場面。
人を選ぶだろうし、チグハグなところもある。この作品に拒否反応を示す人もいるようだけど、それもアンドロイドを含め、作品の新しさゆえと言い切りたい。過去の数々の名作をリスペクトしながら、さらにその先に行こうとしている。
前半のススキを走る自転車の長回しの場面から強烈に掴まれた。最後終わりそうで終わらないのも映画の世界観、テーマと合致していて終わらないで欲しいと思ったぐらい。
芦澤明子の撮影、小野川浩幸の音楽もバッチリはまっている。
あと村田牧子の横顔がいい。
原発事故をその時事性に捉われずでも批評性は残しながら正面から虚構化した初めての作品では。原発事故を背景に、描くのはただただ普遍的な哲学。忘れられない一本になった。
