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「さようなら」に投稿された感想・評価

日本映画専門チャンネル〈いま、映画作家たちは。深田晃司の場合〉(20〓/03/01 1:00開映録画分)
nana

nanaの感想・評価

4.0

過去作
深田晃司映画祭
舞台挨拶と生オーディオコメンタリーで2回鑑賞

人が去る世界で生きる

本物のアンドロイドがAIで演技をしていた。

人が生きていけなくなった日本と死なない高性能AIを搭載されたアンドロイド

近未来の日本
原子力施設の事故による爆発によって放射能に汚染され、国が「棄国」を宣言。
国民が海外に避難する

海外避難にも優先順位があり、差別も発生する。


日本でアンドロイドと暮らすヒロインのターニャ。
恋人もいるし穏やかに日々を送っていたけれど。


難民だから。

最終的な選民



究極になればこのような選択はまさにありそうで、どう叫んでもどうにもならない。


ターニャの周りの人達は誰も悪くない。

でも突きつけられる現実は残酷で。

心からの友の会話の真実に胸がしめつけられる。

父親がヒロインにアンドロイドのレオナを渡した理由がさらにせつなかった
snookozu

snookozuの感想・評価

3.3
舞台観てみたい。静かに怖い作品。
新井浩史が新井浩史度抜群な役で出ているので、本当に残念だなあと思う。
深田晃司によるディストピア文芸作品です。テーマをてんこ盛りしすぎて映画として破綻してしまいました。ほぼ映画の程をなしていません。

舞台は原子力発電所が日本中で連続爆発して人が住めなくなってしまった日本です。人々は難民として外国に受け入れられているのを順番待ちしています。その中の一人がターニャ(ブライアリー・ロング)です。ターニャはアンドロイドのレオナ(ジェミノイドF)と一緒に住んでいます。死にゆく人間と、死なないアンドロイド。

とにかくテーマがてんこ盛りです。文芸作品の楽しみはテーマを探ることですが、いくらなんでも盛りすぎです。ざっと思い浮かぶだけ書いていくと、原発問題、人種差別、アンドロイドから見た死、家庭崩壊などなどです。一つ一つを雑に投げ込みすぎです。

まあ、百歩譲って「原発問題」はマクガフィンだとしましょう。日本に人が住めなくなる理由は感染病でもよかったし、巨大隕石でもよかった。しかし、政治的な「原発問題」を選ぶことで、否応なく政治的なメッセージを帯びることになってしまいます。そういうのを描きたければ『Fukushima 50』みたいに直接的に描いた方がいいです。

しかし、致命的なのはメインテーマである「アンドロイドから見た死」が映画として描ききれていないことです。後半の30分以上がこのテーマに費やされるのですが、退屈すぎて非常に苦痛です。

どれだけジェミノイドFがすぐくても、演技はできません。そうするとセリフに頼ることになります。合成音声はすごいけど、セリフに頼るのなら映画でなくてもいいんですよ。書籍でもオーディオブックでもいい。わざわざ映画にする必要ないんです。こんなの音声だけで良くないですか?主人公のターニャとアンドロイドの会話のモンタージュも深みがないんです。だって、ターニャのカットに頼ってしまう。アンドロイドをずっと映してたって仕方ないですから。
生きることと死ぬことは同じだしアンドロイドと人間の境目なんてほぼないんじゃないかと思うくらい本作は自分の中の不気味の谷を超えてしまった。

平田オリザさんの戯曲を深田晃司監督が映画化。アンドロイドが人間の俳優に対して演技する最初の映画と宣伝され、石黒浩さんが開発した本物のアンドロイドとターニャという人間の対話をとおして死を語り、社会問題や虐げられる人々も交えて世界の無常を静かなトーンで描く。
日本という舞台で外国人とアンドロイドを主演に据えた所も示唆的。
受け手によって様々な解釈や感想が出てきそうな鏡のような映画。
イレーヌ・ジャコブが特別出演してて驚いた。

原発事故で放射能に汚染された日本。
日本人の恋人はいち早く避難が決まるが難民として暮らすターニャの避難は先延ばし。国難で見捨てられる外国人という構図は給付金対象除外を主張する人々に被る。

そういえば後半の竹林に行くシーンだけアスペクト比がおかしいというか画面が歪んでたんだけどあれはU-NEXTのせいなん、、、??
ただただ切ない。そして静か。
少しづつ何かが奪われていくら去っていく、残されたものの悲しみ。そしてそれが何故か心地よい。
ずっと家に居ないといけない、今の状況は感覚似てる気がする。
初めは本物のアンドロイドを使ってるのってちょっとなぁと思ったけど、
観るとそんな事は小さい事で、すごく良い映画でした。
K

Kの感想・評価

3.6
劇作家・平田オリザの戯曲の映画化。

原発の爆発によりほぼ日本全体が汚染され、国民が政府が決めた順番に従って次々と海外へ散り散りになっていかざるを得なくなった近未来。

静かに崩壊していく世界、その世界の終わりを舞台に描く生と死。とてつもない絶望感とともに、生きてるということ、死ぬということについてじっくりと考えさせられる。
深田晃司は映画としかいえない映画を撮る。
ロングテイクの暗転、腐食。

スクリーンに投影されたイメージに手をかざすのがゴダールのカルメン〜っぽい。

コロナ禍にみる死の選別が行われるディストピア映画。

「ごめん」の三文字で別の意味を察する高性能のAI。

女がソファに横たわるファーストショットの美しさ。
滅びゆく国、薄れてゆく記憶、腐敗していく人間。それらと対になるアンドロイド。竹の花って120年に1度だけ咲くらしい。俺も生きているうちに見られるだろうか。見ることができるアンドロイドも寂しかろう。
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