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LOVE【3D】のperoのレビュー・感想・評価

LOVE【3D】(2015年製作の映画)
4.0
恥ずかしながらギャスパー・ノエ初見…
ノエバージンをセックス映画で奪われ、3Dで顔射までされました。
勃起した男性器から始まる本作。その持ち主の主人公マーフィーはその名前が表すようにマーフィーの法則よろしく出来ちゃった結婚を悔やんでいる男。そんなマーフィーのもとに元彼女のエレクトラの母親からエレクトラが行方不明だという電話がかかって来る。マーフィーは激しく愛し合い傷つけ合ったエレクトラとの愛慾の思い出の中に入っていく…
本番をやっている映画というと最近だとラース・フォントリアー監督の「ニンフォマニアック」カンヌ映画祭で監督のみならず主演女優2人にもパルムドールが贈られた「アデル、ブルーは熱い色」、古くは大島渚監督の「愛のコリーダ」。
なぜ監督たちはセックスを描くのか?
それはタブーだから。
歴史を紐解けばルネサンス期のギリシャ絵画が卑猥と揶揄された時もあった。裸を描くだけでタブーと言われたり下の毛を隠すのか隠さないのかと大論争になったり。隠されたものを解放し規制から自由になりたいという挑戦事態が芸術になる。体制に媚びるヤツは芸術家じゃないと、故若松孝二監督も言っていた。
アメリカ映画の性の規制が40年代に戻ったと言われるほどハリウッド映画では生々しいセックスは無いことになっている。年齢規制が付いているのになんと窮屈なんだろう。殺菌され選択肢のない世界は歪んでいる。
この映画を見てそんなことを考えた。
そしてもちろん、こんな映画を撮るのは監督自身がエロいからでしょ!
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