車の動きに合わせてカメラが動くと、同じ方向から沢山の車がワーっと走ってくる冒頭のダイナミズムにまず感動した。『和解せず』みたいな速度を感じた。普通待ちそうなカットで待たない(画面奥から牛の群れが向かってくる!)し、カメラは動き始めると止まらない。パンすると必ず、一番いいタイミングで乗り物が通りかかる不思議。今まで観たストローブ=ユイレの中では最もテキストの内容が易しいし、おそらくそこで語られている土地が撮られていて言葉と映像のつながりもわかりやすい。ベニングの映画とも似ているが、こちらの方がずっと動きがあって、軽やかさがある。