早すぎる、遅すぎる、の作品情報・感想・評価

早すぎる、遅すぎる、1982年製作の映画)

Trop tôt/Trop tard

製作国:

上映時間:14分

4.3

「早すぎる、遅すぎる、」に投稿された感想・評価

Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

3.6
パン(行ったり来たりする)と固定カメラ長回しで風景を捉えるカットの繰り返し。独特の映像センスでなぜかその割には見ていられるのだが、正直単調過ぎて退屈してしまう部分も多かった。16mmフィルムで状態もあまり良くなかったため、画質がもっと良ければまた違った印象を受けたかもしれない。
フランスパートは冒頭のぐるぐると回転移動し続ける撮影が素晴らしい。フランス革命が結局はブルジョワの支配という帰結になったという語りが被せられ、画面の回転運動によって繰り返される平民たちの苦難が強調されているようである。(舞台はバスティーユ広場であるらしい)映像的にもとても面白いものとなっている。
パンで列車を追い越し、カメラが停止して列車が再び画面を追い越していくカット等も印象的。
エジプトパートはリュミエール兄弟の「工場の出口」のオマージュのようなカットも。ずっとロングショットばかりだったので、たまに人物が近くに来るだけでインパクトがある。ストローブ=ユイレの映画はミニマル過ぎて、見ていると普通のことが普通でなく感じられるようなことがある。
ドキュメンタリー調で撮ってある(子供が撮影者たちに挨拶したりする)が、人や車の動きが適切にコントロールされているようにも思える。ここらへんはどうなんだろうか。
のどかなフランスの風景に18世紀終盤の平民たちの困窮の実態の語りが重ねられる。乞食の多さに少し驚く。エジプトパートでも平和に暮らす人々を風景と共に捉えつつ、人々の抵抗の歴史を語る。
いまや平民たちの苦難の歴史は終わり、抵抗の不要な世界が訪れたのだろうか?
見続けていくにつれ、いつの間にか、どこまでパンしていくのか、いつまでこのカットが続くのかということにスリルを感じるようになり、そしてずっと見続けていたいとおもうようになる不思議な映画。
前半のダニエル・ユイレのナレーションの声も好き。
ストローブ=ユイレの作品のうち、最も好きな作品のひとつ。
冒頭のロータリー交差点を周回する車から見える景色で車やバイクが次々と入れ替わっていく様からもわかるように、ストローブ=ユイレがいつも以上に徹底して風景を撮ったドキュメンタリー的作品となっていて、その殆どは緑豊かなものではあるけど映す風景の中で人々が活動する様子とかもしっかりあったり、中盤では工場の出口を長回しにしてオマージュしたようなシーンも挿入され、リュミエールの作品を長尺にして音をつけたような雰囲気の撮り方はまさに映画的と概ね好感を抱いた。

しかしこれは自身の睡眠欲によるところも勿論大きいが、途中からゆっくりとしたパンでエジプトの路を長々と撮るシーンばかりになってしまって若干飽きがしまったせいで何回かウトウトして危うく夢の世界に行ってしまうところだったので、もう少し撮り方のバリエーションを増やしてくれた方が有り難かったしもっと映像的に面白いものとなっていたろうに感じた。

とはいえ先述のように全体的な撮影スタンスはストローブ=ユイレらしくて琴線に触れたし、ラストのティルトによる映像のキレも素晴らしかったので、酷い映画を見たという気分には全然ならなかった。
紫色部

紫色部の感想・評価

4.0
2018.2.21 アテネ・フランセ文化センター

ヤバすぎる、エモすぎる
t

tの感想・評価

4.6
超傑作。革命について、回転=停滞から直進=希望へ移行するエモーション。冒頭、一定の軌道を回転し続ける車、から見える車窓の風景の時点で異様に面白い。第1部はフランス革命時の貧困状況が延々と各街と共に語られていくが、360度パンやその中断逆行(たまに垂直・斜め方向の動きもある)、オフの音の近さに痺れる。第2部はエジプト各地の蜂起についてだが、人間が現れることでより豊かな画面に。ゆっくりパンしてくと牛が見つめている、畦道やレーンの動線に沿って/無関係に人物が動く(市場?工場?での無秩序、農村から団地群が現れる喜びetc)、思いがけない出会い、映像自体の力を信じさせてくれる感動的な瞬間の連続。映画館で観れて幸せ。
m

mの感想・評価

-
観客と同化した視点を持ちながら観客を試すような映画だと思った
人がワラワラ出てくる長回しの、あのシーンを授業で見て、すごく見たいと思ってたのでうれしい
カメラスタンドって普通360度回るもの?それが気になった
Mitsunoir

Mitsunoirの感想・評価

3.8
冒頭のぐるぐる回って車がカメラ内に入っては出て背景に対しても動くシーンには期待させられた。
が、後半は自然音とテクストを加えた初期映画のようで眠気に襲われ、のんびり動く画面を薄く目を開けみていたら、気が顔に見えたりあるはずのないものにみえた、無意識の解釈!なんつって。読めなかった。
「工場の出口」やグリフィスの「小麦の買い占め」へのオマージュがあった。カメラが動的になり神の視点を獲得するでなく、シネマはあくまで普通の視点として世界を記録するものということか。
osakana

osakanaの感想・評価

-
観察し考察するカメラ
その草っ原に寝転がることも畑の中へ潜り込むこともできない
観察者は世界に、エジプトの土地に馴染むことはできない
が、そのことを承知の上で節度を守った距離に立つカメラの、その視点から撮られた土地や人々や動物たちから目を離せない
などと思っていたら子供たちが観察者もまた紛れもなく世界の一部であることを知らせる
歴史と土地と人々、撮影時の現在、そして上映される度に立ち現れる数々の現在
何にもわかってはいないけれども、監督二人に両肩は掴まれた
うまる

うまるの感想・評価

4.4
面白過ぎてビビった。至福の映像体験。

建設中のビルと、その下で波に飲まれる藻草。
ぴこ

ぴこの感想・評価

4.0
初ストローブユイレ。アテネフランセにて。難しい!最近では一番考えさせられた。解釈の不可能性。ストローブユイレが特異な映画作家と言われる所以が分かった。
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