放射能に汚染された世界で奇跡的に安全を確保出来ている山の谷間で一人生き続ける女性・アン。
ある日、生存者のジョンと遭遇し共同生活を始め徐々に関係を築いていくが、新たにもう一人の生存者・ケイレブが現れた事で彼らの生活は一変してしまう…というお話。
世紀末三角関係伝説!
静かな物語進行に反して、心は終始ザワザワしっぱなしの本作。
これがもし普段の日常だったら大した事にはならないし、さほど気にする事もないよくある男女の物語になるんだけれど、世界に3人しかいないというある種の閉鎖環境が人間の本質を浮き彫りにしていく。
信頼、希望、軋轢、愛情、嫉妬、疑念、欲求と様々な感情が入り混じった3人の関係。
こんな事ならいっそ独りの方が良かったんじゃないかとも思うけれど、やっぱり人は孤独には耐えられないので、どっちに転んでもすんなりとはいかないのが人間です。
じゃあ2人のままだったら良かったかと言うと、一対一の密な関係はそれはそれで相手に対して敏感になるしで、それでもやっぱりすんなりとはいかないわけで、結局人間は多数で社会を築かなければならない生き物なんだなと実感。
人と関わるのは面倒な事だけれど、人と関わらなければ生きていけない、人間はほんと色々とままならない生き物ですね。