ふざけた邦題もなんのその！3人の名優が綿密に企てる銀行強盗。いけないこととわかっていても応援したくなる自分の姿がそこにあれば、もう映画の術中にハマっています。笑
本作は、40年以上勤めた企業に長年積み立ててきた年金が打ち切りされ、途方に暮れた仲良し老人たちが銀行強盗を企むというもの。
なんといってもメインキャスト3人の顔ぶれが凄い。モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンと、いずれもオスカー受賞者揃い。ほかにもクリストファー・ロイドやマット・ディロンも出演と脇を締める役者も豪華です。
原題は“Going in Style”で、かっこよく行こう！的な意味でしょうか。それがジーサンズというふざけた邦題になってしまいましたが、映画の内容自体は上質なコメディであり、ファミリームービーです。
せっかく積み立てた年金が支払われないとなると、お先真っ暗な老人たちですが、とある銀行強盗を目撃したことで自分たちでもやってみようとなるのです。
そこからの計画の立て方や練習が始まるのですが、珍道中がたまらない（笑）実際にギャングに銀行強盗の仕方を手ほどきしてもらい、何度も銀行を下見し、シミュレーションし、そして当日はアリバイ作りまで巧みに行ないます。
孫を溺愛しており仲間思いなモーガン・フリーマン演じるウィリー、冷静沈着なマイケル・ケイン演じるジョー、表面上ワイルドな性格ながら心配性なアラン・アーキン演じるアル。性格もバラバラな3人が見事な化学変化を起こし、絶妙な笑いを届けてくれます。
アルと恋する老婆アン＝マーグレット演じるアニーの絡みが個人的には好き。80代ながら、恋を忘れない乙女なアンに対し、ハードボイルドを見せながら性欲も抜群なアル。スーパーでの窃盗計画中に出会った2人も、その後は互いにどんどん惹かれあっていきます。
肝心の銀行強盗の場面では、老人ならではのトボトボ感で観ているこちらが不安になるほどですが、それがまさに彼らを応援したくなる気持ちに拍車がかかります。
本作を観ると元気がもらえるし、とにかくお先真っ暗な現状を打破しようと動く彼らに前向きな姿勢を学ばせられます。
とにかく笑える映画が観たい方、元気がもらいたい方にオススメの一作です。
ムービープラス録画にて鑑賞。
