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ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気のevergla00のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

【partners】

実話を基にした作品。

序盤はこのカップルが年齢差で母娘にしか見えなかったのですが、さすが演技力に定評のあるお二人だからか徐々に慣れました。途中から、Steve Carellならぬ "Steven" が作品に絶妙な隠し味を加え始めます😄

犯人逮捕が刑事Laurelの手柄でも、男性相棒Daneのほうが称賛を浴びて目立つ。女性というだけでハンデがある男社会の警察組織において、Laurelは男性からも認められるよう彼らの何倍も意識的に努力してきたでしょう。しかも、同性愛に差別的な社会でレズビアンとバレれば、出世の道は断たれる。現場に立ちたくて、警部補になりたくて、必死に性嗜好を隠して私生活をないがしろにし、仕事最優先で生きてきたことが推察できます。Stacieに出会ってからは徐々にLaurelのトゲトゲしさ、ギスギスした雰囲気が消えていきます。

LaurelにとってStacieはようやく見つけたプライベートのパートナー。一方Daneは長年支え合った刑事のパートナー。同性愛者への差別の中でも、性別を越えて信頼関係を築き、最期までLaurelが正義を貫けるよう支える2人のパートナーが良かったです。

事情聴取や車の整備といった所謂「男っぽい」イメージの仕事でも、女性ならではの柔らかい優しさや共感力、手先の器用さが取柄として描かれていました。

最後Laurelが昇進して嬉し涙が出ました。

〇〇マイノリティでなくとも、社会での生きにくさ、越えられない透明の壁を感じたことがある人は、この作品のどこかに共感できるのではないかと思います。
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