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ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気のzunzunのレビュー・感想・評価

3.8
「パートナーに遺族年金を残す」と言う"平等の権利"だけを求めるローレル。2人の時間を静かに過ごしたいだけのステイシー。
2人の願いとは裏腹に、政治的な思惑と相まってセンセーショナルな話題の中心となる。
その扇動を煽るのかスティーブ・カレル演じる牧師の同性愛団体。強引でデリカシーがなくて滑稽。スティーブ・カレル節が炸裂し最高!
でも、何かの権利を求めるには相当な覚悟と様々な政治的駆け引きが必要と言う世の中の縮図を見た気がして複雑な思いに…。

政治的と言うより元同僚への思いから、刑事達が少しずつ態度を変えて行くさまにはじんわりと感動を覚える。同性愛への理解と言う事より、その個人への敬意や思い遣りがそうさせたのであり、慕われたローレルだからこそである。
そんなローレルを演じるのはジュリアン・ムーア。恋人役エレン・ページ共に違和感なく納得の演技。

エンドロールにはモデルとなった実在人物の写真が映し出される。演じた女優以上に存在感と説得力があり、元ネタの短編ドキュメンタリー作品が観たくなる。
なのにその短編ドキュメンタリー作品の視聴方法は見つけられず。
本作は間違いなく秀作だと思うのだが、館内はガラガラ。短編ドキュメントは観られず……ダブルで残念。
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