完璧にパーフェクトな楽しい映画。前振りがしっかりしているからすんなり物語に入っていける。
手際の良さにまずは恐れ入る。
これから初めてドント・ブリーズという、ただただ圧倒的に楽しい映画を観ることが出来るラッキーな貴方!トレイラーは観ていいけど他人のレヴューなど気にせず今すぐ観て下さいね。
88分ていうドントブリーズのスマートさに敬意を表しこれでお終い!あとは無駄話。
最近ちょっと思うのだが、映画にちょっと自分の好きでない人物、道徳的に正しくない人物が出ると拒否反応示したり、誰にも共感出来ないと映画の評価を下げる傾向があるような気がする。
ボクは正しい真っ当な人間の出る作品も好きではある。
例えばクズ野郎が最後に成長する話ね。
映画「ズートピア」を最初に観た時にあまりの純粋真っ直ぐな主人公ジュディに面食らい、めんどくさそうに親の仕事の手伝いを姿に腹が立った。でも、人間そんな時期だってあるじゃないって思うようになった。
あの、めんどくさそうにしてるジュディが唯一見せる人間らしさ(うさちゃんやけど)がズートピアの魅力でもあったのかなぁと今になって思う。
ララランドもめんどくさそうにやりたくない仕事をする場面がある。確かに観ていて腹は立った。
でも世の中は正しい真っ当な人間ばかりじゃない。
ララランドも最後まであの2人の視線は合わず、ある意味成長はしてないのかもしれない。
物語というのは例えば子供が親の庇護の元から飛び出て、冒険し、挫折して、這い上がり、そして成長して帰ってくるというのが大体の物語だ。
ドント・ブリーズも掃き溜め(失礼)から逃げ出し、冒険という物語になるのだがいわゆる真っ当な人間は出て来ない。
最後までクズ野郎だったりする。
でもわざわざ、「良い人」にならなくても映画を見届けたウチらはあんな選択はしないだろう。
Choose life
昔、なんていう本か忘れたけどページをめくると3択問題が出てくる。選択をすると何ページに進むと書いて指示どおりに進むと主人公が死んでバッドエンド。
3択は何度も出てきて選択を間違えずうまくいけばハッピーエンドを迎える事が出来るって本があった。
ドント・ブリーズもそういった話で、何度も選択を迫られる。
そして、常に最悪の選択をするのだ。
映画の主人公は潔癖である必要は必ずしもない。
これ、もう一回観たら更に楽しい気がするな。
最後にちょいネタバレ。
宇多丸師匠のラジオで読まれたリスナーのメールで、盲目の退役軍人が逆襲にあう場面があるんだけどその場面を観た女性が
「苦っ」
って言ったらしい 笑