享楽

マーシュランドの享楽のレビュー・感想・評価

マーシュランド(2014年製作の映画)
4.5
難解。とにかく難解。
邦題であるマーシュランドは湿地帯という意味であり、そのイメージは風景全体的に霧がかっているが、この映画の内容もまさに全体的に霧がかっており、鑑賞後の思考もボヤボヤっとする…。

話の流れの文脈に関係がなく突然現れる鳥や、ナイフに刻まれているj.wの刻印など、何の伏線だったのかもしくはメタファーだったのか…。

何と言えばいいのか…「刑事が事件の真相に迫る→解決!→後にまた別の疑問が生じる」といった具合に、一難去ってまた一難がずっと続く。
スペインの80年代初頭の問題である労働者によるストライキシーン 汚職の汚れ具合 小児性愛の非道さ などの問題提起をしているが、それも劇中ではただそのような行為が行われていることを描いているだけで、まったく根本的なところは何も解決されておらず、この辺もまた霧がかかりモヤモヤする。
この映画の最大のイイ味になっている人物はベテラン刑事のペドロではないだろうか。若手の方のフアンは正義に誠実に職務をこなしてゆく。映画が進んで行くにつれて、ペドロの過去が明らかになり、その性質がこの事件の犯人像の特質に少し重なりはするが、犯人を追う行動からは違って見えるような…そしてラストシーンの「これで解決だろ?」とペドロが発したときの不穏な空気(あれはフアンに語りかけているだけでなく、観客に語りかけているようでもあった。)…