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クリーピー 偽りの隣人のhisのレビュー・感想・評価

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)
3.8
気になってたので鑑賞。

カメラの構図が奥行きを意識していて、
いちいち見応えがあるが、もうちょっとシーンを短かったら良かったのになぁって思う。

さてさて
洗脳サイコパスおじさんVS自己陶酔ヒーロー(無自覚サイコパス)
リドラーVSバットマンのような関係。

という実は香川さんと同じくらい主人公がやばい系映画。

スタンド使いは引かれ合うのように、
サイコパスは引かれ合う。

サイコパスとして覚醒してる香川さんだが、己がサイコパスと気づいていない主人公、
この間の抜けた感じと一気に戦慄する感じが幅があって非常に面白い。

終盤の2人のスタンド(服従と道具として生きることに葛藤する竹内結子)対決は、
非常に見応えたっぷり。

一見すると実際にあった洗脳事件の恐ろしさに身ぶるいするが、
アメリカ的なヒーローである一方的な正義の代行者を皮肉として描いたような、主人公の描き方が興味深いし、竹内結子の精神の葛藤と思考が実に奥深く、最後の慟哭の意味が二重構造で素晴らしい。

一見すると西島が悪を倒して家族に平穏が戻ったが、今まで体験したこともない悪夢が蘇えり発狂する竹内結子を強く抱きしめるヒーロー映画感があるが、
竹内結子視点で見るとあの発狂の意味が違ってくる。無自覚なサイコパスと過ごす日々の地獄が永遠と続く。

なかなか奥深い映画だなと思った。

いちいち香川さんがコミカルなのがオフビートで、笑ってしまうが、やっぱり凄まじく怖かった。

ハリウッドでリメイクされたら相当面白い映画になると思うんだけど。
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