あやな

クリーピー 偽りの隣人のあやなのレビュー・感想・評価

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)
3.6
決してプロットで見せるタイプの映画ではない。プロットは破綻してると言っても良いくらい短絡的で、展開、キャラクター、小道具の使い方、どれも仕上がっているとは言いがたい。所謂映画的なナラティブでかっちり進んでくれるエンタメ映画ではないから、予告編以上の驚きが欲しいなら絶対にオススメしない。
が、一応前編見られてしまうのは何故か。多分"黒沢清的"な演出に惹きつけられるものがあるからだろう。現にこの映画を絶賛するファンもいるわけだし、その人たちの解釈(例えば結局みんな狂ってた、とかそういう類の考え)に納得できるところもある。
でもやっぱり戻るが、この映画のナラティブを考えたときに、映像から読み取れそうなテーマやモチーフと、実際の表現方法に微妙に乖離が生まれている気がする。
描きこみのない映画にしたいけど、ある程度エンタメ的に成立させないと、みたいな大人の事情で変なところは説明的で、それがプロットを破綻しているように見せてしまった敗因なのではないか、と考えてしまった。
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