ゆっけじゃん

クリーピー 偽りの隣人のゆっけじゃんのレビュー・感想・評価

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)
3.4
北九州監禁殺人事件をもとにしたホラー。
面白かったが、最初から最後までずっとモヤモヤした。
彼が誰なのかだとか、あの薬は何でどこから入手してるのかとか、元の一般住居にあんな地下施設があるのかとか、そういう即物的な疑問もあるが、「なぜ彼に従ってしまうのか」が全く描かれていないからのモヤモヤだと思う。

普通なら何故そうなってしまうのかの理由付けがないとこんな話は成り立たないのだが、北九州監禁殺人事件という事実がこれを説明不要にしてしまった。だって説明も何も実際あったんだもの。

元の事実は小説も映画も置き去りにして奇の彼方へぶっ飛んでしまっていた。
それをもとに映画として作品化するのなら、一歩ずつ丁寧に説明して観客を彼方まで連れて行くか、置き去りにして不気味さ特化演出するかなのだが、前者はたぶん誰にもできないよね…。

ゆえに元の事件を知らない人がこの映画を見たら「何が何やらわからないが不気味で気持ち悪い」で終わってしまうのが惜しいかな。