猫脳髄

輪廻の猫脳髄のレビュー・感想・評価

輪廻(2005年製作の映画)
3.4
一瀬隆重プロデュース、東宝配給の「Jホラーシアター」(2004-2010)第2弾(第3作)。

若手女優の渚(優香)は、映画監督の松村(椎名桔平)が撮影する新作映画のオーディションに臨んでいた。昭和45年にあるホテルで大学教授が11人を殺害した陰惨な事件を題材に、その被害者達にクローズアップした作品を撮ると言う。オーディションの前後から人形を抱えた少女を幻視するようになった渚は、撮影が始まるとますます不気味な現象に見舞われる。

一方、大学生の弥生(香里奈)は、幼い頃から夢に見ていたホテルの映像を気にしていたが、偶然、それがあの陰惨な事件が起こった場所と言う事実に行き当たり、今や廃墟と化したホテルにたどり着く。映画の撮影と夢のホテルがクロスオーバーし、惨劇が再び幕を開けようとしていた。

「輪廻」というタイトルとストーリー展開でややネタが割れてしまうところがあるが、廃ホテル(外観は廃業した阿蘇観光ホテル。内装はフランク・ロイド・ライト風でそこに目が奪われてしまう)と大量殺人いう格好の題材はワクワクする。キューブリック「シャイニング」への強いオマージュを感じる作品。三条美紀が持っていってしまうラストと、黒沢清がチョイ役で登場しているのには笑ってしまう。
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