Monet

永い言い訳のMonetのネタバレレビュー・内容・結末

永い言い訳(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

大切な人を失ったことがないので目の前に起こっている出来事として映画観ることしかできなかったが、見終わった後すぐに言葉が出ないほど深く考えさせられた
主人公は愛を知らず、知ろうとしていなかったことにも気がついていなかった、今まで当たり前にあったものを失い、必然的に別の環境に出向くことによって、第三者として愛を目の当たりにした
そして自分は何も愛していなかったことに気がつき、また誰からも愛されていなかったことに気がついた

妻は夫を愛していたけれど愛がひとかけらもなくなるほど苦しんだのか、それとも元々愛していなかったのか、そこまでは描写が少なくてわからなかった
主人公も元々は妻や何かに対して愛をもっていたけれど自分が社会的に大きくなることによって日常が小さくみえて愛が欠如したのかな、それとも元々愛していなかったのかな、憶測だけど元々愛がなかったようには思えなかった

日常でよく社会的に自分が大きくなると急に偉そうになる人ってなんだろうって思う、過去にみていたその人はどこへ消えてしまったんだろうって何度も辛く思ったことがある、変化は時に残酷だなと

子供たちの描写もものすごく面白かった、演技が上手い、長男は抱え込みすぎていたし主人公と似ているところがあるように感じて大丈夫かなって思ってたけど父親の事故によって色々考えたんだろうな、坊主になって父親の愛を真っ直ぐに受けて、まっすぐに生きてるであろう様子に安心した
勉強や何かを持っていることが人生の全てではないと思う

大人は大きくみえるけど実際は誰もが傷や闇を抱えていて、隣の芝生が青くみえることもある
20歳を超えて思う、小さい頃に自分はもっと立派になっているだろうと考えていたが予想してたものとはかけ離れている
完璧ではないからこそ足りないものを補うために他者と出会うのではないかと思った
人生はいくつになってもやり直しはきくし、生まれてきた時に学ぶべきものを与えられているのではないかとさえ思った
自分の遺伝子が怖いと思うことがあるという言葉も心に残った、子供は親を選べないし(空の上のことは分からないけど)逆に親は子供を選べない、子育ては自分のかけらである他者を育てるということなんだよな
責任と覚悟があったとしても向き合うのは難しいことだ、自分が憎いと思うのだとしたら尚更

自分を愛していなければ誰からも愛してもらえないんだな、分かっていても難しいな
Monet

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