キンキン

ディストラクション・ベイビーズのキンキンのレビュー・感想・評価

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殴りたくなる。

拳骨、鉄骨が地面から起る音、血。喧嘩で飯を食っていると言う人の出会いから、ロシアのストリートファイトを参考にしたこの映画は、暴力でもあり殴打映画でもある。サウンドではあるんだろうけど、拳骨の音が聞きたく聞きたくてたまらなくなって、演技でも俳優達は殴られているだろう姿を見ていると、よくこの映画の企画が通ったなー、とプロデューサーの懐の深さにも驚いた。

柳楽優弥がホントに楽しそうで、見ているこっちが殴るのって楽しいんじゃないか?と言う、「ファイト・クラブ」の危ない思想が浮かんでくる。マジで、殴ったりするのがあったらカルト映画になるぞ。劇場で観ている時、観客がじっとその喧嘩を観ている感じに鳥肌出ては傍観者なんだけど次第に自分の内側からワナワナと感情が熱くなる。拳を血から一杯握る時のギリギリッとしたくなるような、鋼の響く向井秀徳の音楽も好き。

向井秀徳と柳楽優弥と言えば、塩田明彦監督の「カナリア」を思い出すが、本作に関してはナンバーガールの曲名をタイトルにしたりと監督との意気込みが強く出てる気がした。真利子哲也監督は、これまで短編をずっと撮っていただけに長編では本気で狙いにいってるんだろうなー。「宿木」や「NINIFUNI」でも、車の中で起こる出来事に飲み込まれていく感じがあったように、本作でも車内の雰囲気にやられた。

そして、タイトルは序章のように受け取れて、これから「ザ・ワールド・イズ・マイン」のようになっていくんだ、と。柳楽優弥がモンちゃんに見えちゃうだよね。対談で向井秀徳は音楽しているから分かるけど、新井英樹が登壇した理由が最初わからなかったんだけど本作を見て納得した。

「おっぱいですかー!?」って浮かぶけども、格好いいわ‥。そうそう、あのおっぱいはエロい。「トレイン・スポッティング」っぽい部分感じたんだけど、気のせいかなー?
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