つじくん

ディストラクション・ベイビーズのつじくんのレビュー・感想・評価

4.0
暴力と狂気と弱さと醜さが延々渦巻く作品。自分を満たす為の暴力、自分が強くなった気にさせてくれる暴力、強く生きる為の暴力、大切な人を守る為の暴力。
喧嘩のシーンがほとんどを占め痛々しい音と声が鳴り響く。あんなに大きなケンカはした事ないが、こんなんだったなぁ…と生々しい嫌さを思い出させてくれる。
強さを求め進んでいくその道が正義でも正解でも無い事に絶対に気付いているはずだが、もうその道以外に進めないのだろう。
見て何も残らない人も多数いるだろう。そんな深いメッセージ性はこの映画にはない。
柳楽優也のカリスマ性、菅田将暉の弱さ、小松菜奈の学び、村上虹郎の優しさ、どこか救われない人間達の小さな世界での葛藤を発散させる映画だ。
つじくん

つじくん