せいけ

ディストラクション・ベイビーズのせいけのレビュー・感想・評価

5.0
暴力映画の中でも映画史に残る傑作
というより暴力についての映画
ケンカ神輿とルールというキーワードが重要に感じる
その日に限っては人を殺したってOKという祭の非日常的なルールを日常に持ち込んだらどうなってしまうのか突き詰めている
柳楽優弥の暴力性に魅せられていく菅田将暉とドン引きする一般市民
バッキバキに決まった撮影でその対比を見せていく演出が最高すぎる
暴力描写も引き出しが多くて見ていて飽きない
側から野次馬気分で見ていたら知らぬ間に現場がすぐ手前まできていたりするので見ていて気が抜けない
主要3人の描き分けも絶妙
特に柳楽優弥のガチでやばい奴感溢れる演技は絶品
同じ暴力でも微妙にニュアンスが違って面白い
色んな状況があるにせよ正当化していい暴力があるのか考えさせられる
ここに関しては登場人物の背景を最小限に抑えたことでより上手く描写されている
伝播していく暴力の危険性、不快感を描き切った傑作
真利子監督には将来的に北野武と並ぶ暴力映画の巨匠になりそうな予感を感じる