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バーニング・オーシャンののんchanのレビュー・感想・評価

バーニング・オーシャン(2016年製作の映画)
4.1
しばらく青春映画が続いていたので、思いっきりのディザスター作品が観たくなりました。

大好きなジョン・マルコヴィッチ様とケイト・ハドソンが出演しているのに今まで全然知らないままだった。

世界最大級の人災事故である『2010年メキシコ湾原油流出事故』をモチーフにし(本人の証言や実際の事故映像あり)忠実に描いたパニックもの。
メキシコ湾沖約80kmにある石油掘削施設で、海底油田から逆流してきた天然ガスの引火による大爆発が起こり、126名の作業員が火の中に閉じ込められてしまう。


マイク・ウィリアムズ(マーク・ウォールバーグ)は家を3週間を空ける仕事へ出掛ける前に、愛妻フェリシア(ケイト・ハドソン)と愛娘と束の間を過ごす。

向かうは海上作業員の拠点。次々と担当する人間が集まって来る。
堀削施設主任ジミー・ハレル(カート・ラッセル)、操縦担当アンドレア・フレイタス(ジーナ・ロドリゲス)など、マイクはチーフ技師。

そこから海に浮かぶ巨大施設へはヘリコプター移動。交代制なので、少しでも早く帰りたい作業員たちと口頭の引継ぎはプロペラの轟音と風に煽られてよく聴き取れずになってしまう。

ベテランのジミーは土台のセメントテストが気になるが、どうも終わっていない様子。
BP社(ブリティッシュ・ペトロリアム)の責任者ドナルド・ヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)に詰め寄るが、スケジュールが押している上、泥水が上がっていない自論をいかにも尤も気に説明するため、ジミーも渋々引き下がざるを得なかった。

やはり念には念をは必要だった。
その時はやって来る。
ガスにより泥水が一気に噴き上がり、油田から引火して逃げ道はない。そこからの救出劇が...


事故の再現度は非常にリアルで丁寧に映像化をしています。
緊張感が伝わって心臓がずっとバクバクしました。
人間一人一人の行動をじっくりと見せているが、なにせ泥水を被り、誰が誰なのか顔は確認出来ない状態。本当に凄まじい。

人間は突然の事でパニックになると身動きができないもの。判断しようにも身体がどこを向いているのかさえ理解不能。それも海の上にいるのだ。知らない間に大怪我をしている。命さえ一瞬で攫ってしまう。ホラー映画さながらの血だらけの描写、地獄絵図となるのだった。

救出されてもただただ無力感を味わうことになるのだが、担当者たちは精一杯力を尽くしていたのが痛々しくも伝わって来た。
残念なことに11人が行方不明、17人が負傷した。

キャストはそれぞれ適役。ベテランのカート・ラッセルの演技が素晴らしい。私はクソ野郎役のマルコヴィッチ様が観れて良かった。
とにかく申し分のない配役だった。

ドラマ部分は最小限で、事故の場面中心に107分にコンパクトに仕上げてあるのも説明がましくなくて良かった。

観たい時に欲しい映像でテンションが上がった。
平均スコアが低いのが信じられない。王道的ながら傑作でした。



※クリームちゃん、ありがとう!
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