浅野公喜

19 ナインティーンの浅野公喜のレビュー・感想・評価

19 ナインティーン(1987年製作の映画)
3.6
少年隊(現在は中年隊)が未来から現代に来たタイムパトロールに扮するSFファンタジー。以前から気になっていた今作、やっと観れました。脚本は彼らのヒット曲「君だけに」の作詞を担当した康珍化3。

今作における現代は製作年の87年から11年後の1998年。目に装着するビデオウォークマンなる物やオートロックのドアも登場しますが、当時の日産マーチやパルサーEXAといった車を近未来っぽく改造したり「ナウい」「プッツン」といった当時の流行語が使われる等完全な近未来が再現されているわけではなく、むしろ80年代色が強いのですがそのレトロフューチャー的雰囲気が魅力でカーチェイスにこれまた80年代らしいエフェクトの電流が交錯する銃撃戦が繰り広げられバク宙も披露と充実、当時建設中だった東京ドームも合成で登場します。メンバー一人一人の特徴や個性があまり際立ってない、終盤のヒロイン達との別れは切なさ成分(?)が足りなくなんだかあっさりしていますが、87年に今作が作られるというメタ要素、そして筒美京平御大作曲の名曲「君だけに」が流れるエンディングがなんだか良い物が観た気分にさせました。

劇中にはサンマ・アカシヤやツルタロウ・カタオカがチョイ役で出演。挿入歌はやはり少年隊・・かと思いきや「流星のサドル」(久保田利伸)や「B-BLUE」(BOØWY)等が流れてるのがちょっと不思議なものの86~87年頃の雰囲気が出ています。当時開業したばかりの大崎ニューシティの駅へと繋がる歩道橋も使われてました。
浅野公喜

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