半兵衛

ねじ式映画 私は女優?の半兵衛のレビュー・感想・評価

ねじ式映画 私は女優?(1969年製作の映画)
3.0
1968年の学園闘争が盛り上がった状況や当時の状況劇場に所属していた吉田日出子、清水紘治らの顔ぶれを見ているのは楽しいけれど、ドキュメンタリー風の作劇術で積極的にヤラセをやっていき虚構と現実の境目を破壊して刺激を得ようという監督の目標がヤラセを楽しむ俳優たちの嬉々とした演技や60年代らしい実験的なタッチが前面に出て作品に結び付かず、単にあの時代を記録している映像以上の作品にはなっていないのが残念。ラストのオチバラシも同年代の大島渚や今村昌平の作品に比べると他愛ないような印象に。

でも中身を理解せずひたすらなんちゃって革命論を熱く語る馬鹿な大学生を飄々とした態度と発言でやり込める吉田日出子は痛快で面白かったけどね。
半兵衛

半兵衛