ねんどおにいさん

レディ・プレイヤー1のねんどおにいさんのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.0
スピルバーグの本領発揮!お爺ちゃんにしては感性が若すぎるぞ!


東映版スパイダーマンのレオパルドンやウルトラマンが出てきてハチャメチャやらかす事で日本のギーク達の間でも話題になったアーネスト・クラインの「ゲームウォーズ」をあのスティーブン・スピルバーグが実写化。

天才ゲームクリエイターが死の間際、「VRゲームの世界に隠したイースターエッグを見つけた物には会社の資産とゲームの運営権を全て与える」と告げる。
ほぼ全国民がプレイしているVRゲーム、OASISの中で主人公パーシヴァルの冒険が始まる!的な映画です。

特筆すべきは1970年代から1980年代のサブカルチャー、ポップカルチャーシーンを大きくフィーチャーしたアイテムや登場キャラの数々。

AKIRAの金田バイクだったり、メカゴジラ、アイアン・ジャイアント、デロリアン、ナイトライダー、モンティ・パイソンに果てはコレ誰が知ってんねんとグッとくるバカルーバンザイまで登場するその小ネタの数々に当時のカルチャーで育った世代は心を鷲掴みにされる事間違いなし。

物語の構成はかなりフツーなんだけど、数々のガジェットや登場キャラの力で一気にラストまで駆け抜ける。


中盤、主人公らが映画「シャイニング」の世界に入り込むシーンはあまりの再現度の高さに笑いが止まらなくなったレベル。
スピルバーグヤりたい放題か。

何故こんなオタク向けの映画をスピルバーグが撮ったのかと疑問だったが、成る程どうして、当時のカルチャーを引っ張ってきたのはスピルバーグ本人であって、今現在おじいちゃんになっても当時の少年の心を持ち続けているんだなぁと感心した。


一つ残念なのは、映画のラスト、説教臭くぶち込まれた「本当の幸せはゲームの中では無くて現実でしか味わえない」という陳腐で古臭いカビの生えたメッセージである。
そんな事は今までゲームをテーマにした作品で死ぬほど聞かされてきたし、ゲーム、サブカルマニア向けの映画でそんな説教をされるとは思わなかった。
束の間のお祭りの後に目の覚めるようなドギツいパンチを喰らう感覚である。