朝田

バッドボーイズ フォー・ライフの朝田のレビュー・感想・評価

3.6
ミーク・ミルのラップが鳴り響き、トニー・スコットの作品を想わせるスピーディーで、アグレッシブなカット割りで描かれるオープニングのカーチェイスには純粋に大興奮した。しかし、逆に言うとそこがピーク。全体としては微妙さが残った。何より、「バッドボーイズ」シリーズの最終章なのにも関わらずバディ・ムービーとしての側面が薄れてしまっているのが残念。マイクというキャラクターの過去にフォーカスした造りなので相方マーカスのドラマがほとんどどうでも良いような扱いに留まっている。そして味方側に新しいキャラクターたちが加担する造りになっている上に、それぞれのキャラクターの個性が描ききれていない。そもそも最終章に登場させる意味があったのかよく判らない。さらに、マイクの過去にフォーカスしたため、終盤がシリアスになってしまうのも非常に残念。バッドボーイズシリーズはリアルなアクションと反するようなユーモラスで軽妙なタッチが魅力であり、オリジナリティであったが、それらが失われてしまっている。あらゆる意味でバッドボーイズ・シリーズでやらなくて良いような事を最終章にしてやってしまっているという印象が最後まで続いた。マイケル・ベイに監督を任せればまた違ったのかも知れない。
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