蛇らい

バッドボーイズ フォー・ライフの蛇らいのレビュー・感想・評価

3.2
ベルギーの新鋭監督コンビが魅せるシリーズ第3弾。アメリカでは特大ヒットしており、マーベルが早くも彼らと接触しているとか。何にせよ注目の一本。

1作目公開から2作目公開までのインターバルが5年、2作目公開から本作までのインターバルが17年。本作に至っては監督も変更している。作品の哲学みたいなものも新作へアップデートする段階で、作風も大きく変貌するのが特徴ではある。連続性のある部分と言えば主演ふたりの掛け合いの技量くらいなものだ。

そんな中、本作でもマイケル・ベイともまた違ったテイストの作品になっている。ジャンキーさはそのままに、テーマをひとつふたつ掲げることで物語に深みを出そうとしている。本作がシリーズのフィナーレである予定だったためか、大団円で幕を下ろそうとしたに違いない。

ストーリーに何かを語らせようとした結果、彼らの爆笑不可避だった掛け合いが疎かで、数も少ないのが残念だった。監督たちのキャリアがないのもあり、演出面でも突出したものは観られなかった。注文に合格点以上のアンサーを出せてはいるが、今ひとつパンチが弱い。

マイケル・ベイとの大きな差はアメリカ臭さに欠けるということだ。良くも悪くもアメリカの大味な部分を画面いっぱいに感じられることき興奮した過去作があるので、そこに到達できるかできないかが評価を左右するように思う。

出世作がコケると次を撮らせて貰えない傾向にあるハリウッドで大ヒットさせたことは、マイケル・ベイのハリウッドデビュー同様、彼らの今後のキャリアに注目していかなければならない。

良かったのは、どう見ても30のレジーが再登場してマーカスの娘と結婚したことと、無線がチームにだだ漏れするくだり。2で電化製品店のテレビに彼らの疑わしいやりとりが映し出されるシーンを思い出した。そこらへんをもっと引っ張り出せればなあと悔やまれる。
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